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★アルゼンチンに対する私の思い
アルゼンチンは、日本からすると地球の真裏にある国です。実は日本とアルゼンチンとは、ペリー来航時からの親交国です。食料自給と資源保有に乏しい日本は、資源の豊かなアルゼンチンのような国と、物的・人的安全保障の観点からも親しくしておくべきだと思います。幸いに、「タンゴ」という両国民の心底に訴求する共通性もあります。
もう一つ、日露戦争におけるエピソードをご紹介します。アルゼンチンと日亜友好通商航海条約を結んでいた日本は、バルチック艦隊との海戦に備え、アルゼンチンの最新鋭装甲巡洋艦「リバダビア」と「モレノ」を購入しました。その2隻は「日進」「春日」と命名されて、旗艦「三笠」の隷下に入り、日本海海戦で大きな戦功を挙げたのです。
(以下、VTR視聴)
★ピアソラとタンゴダンス世界選手権
1966年にビートルズが来日し、いわゆるビートルズ旋風によって、それまで盛んに聴かれていたタンゴは、吹き飛ばされてしまいました。私の周りの友達も、みんなビートルズ、ビートルズと言うものですから、私などは逆にますますタンゴにのめり込んでいきました。
そういうことで、70年代以降は日本だけでなく世界的にタンゴは衰退して下火になってしまいました。
ところが80~90年代になって、すごいことが起こりました。アストル・ピアソラという音楽家が登場したのです。この人によって、タンゴ界だけでなく、ジャズ界、クラシック界まで巻き込んで、タンゴが一大復活したのです。
2000年代になるとアルゼンチンタンゴダンスが世界的に日の目を見ることになります。ブエノスアイレス市がアルゼンチンタンゴダンス世界選手権というのを始めたからです。今日では、選手権には1万人ぐらいの人たちが出場し、世界中から10万人もの人たちがブエノスアイレスに集まってくる、というような状況になっています。
日本は、ヨーロッパを除けば、ある意味でアルゼンチンに次いで、世界第2のタンゴ国だったのです。ところが、今ではタンゴにいちばん関係のなかった北米、韓国、中国、東南アジアなどで、ものすごいブームになっています。
世界選手権の前段としてアジア選手権があるのですが、この3年間、アジア選手権で上位10位までに入るのは、残念ながら日本人ではなく、ほとんど韓国人なのです。
★タンゴ・ワセダ
昔は、日本のほとんどの大学にタンゴバンドがありました。今や唯一残っているのが早稲田大学の「タンゴ・ワセダ」です。かつてメンバーは21名ぐらいいたのですが、2年前はその数が減って危機的状況になりました。先週行われたリサイタルでは、OB、OGの皆さんが頑張ってくれて、なんとか総勢40名のコンサートになりました。とはいえ「タンゴ・ワセダ」のメンバーの3分の1は他の大学の学生です。皆様のお知り合いに「タンゴ・ワセダ」をご紹介いただければと思います。
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食料、エネルギーなど、日本のいちばんクリティカルな問題について、改めてアルゼンチンとの関係を再認識していただけたら幸いです。
★アルゼンチンタンゴの略年譜
☆楽譜としての初出版は1880年。初期は四分の二拍子の軽快な音楽でもっぱらダンスの伴奏音楽(ギターとフルートが主)
☆最初は売春宿などでの蔑まれる存在でありながら、20世紀初頭には、人間の心の奥底に訴えかける真情、移民の望郷の念をかき立てる矛盾や葛藤の深い表現が上流階級にも浸透(ピアノも普及)
☆1910年代にはヨーロッパに逆流し、大流行。ヨーロッパ独自の音楽(コンチネンタルタンゴ)と踊り(社交ダンス)が生まれる(バンドネオンの採用本格化)
☆1920年代にはポリフォニーや変奏を採り入れた音楽的高度化と、編曲や歌唱の深化、四分の四拍子化などが確立され、定着
☆短調(マイナー・コード)の曲が殆どとなる(邦楽との共通性?)
☆「歌(歌詞)」の「詩」的価値も確立し一大文化に!
☆1940~50年代には戦争景気とペロン政権のバックアップもあり、黄金時代を迎える
☆1970年代はアルゼンチン本国では軍事政権化の中で衰退。日本が有名楽団を毎年招聘し、タンゴを支える
☆しかし、ロック音楽の世界的台頭にはかなわず、裏舞台に
☆1990年代になると演奏面ではアストル・ピアソラというバンドネオン奏者のタンゴ変革、ダンス面ではブロードウェイヒットをベースとしたタンゴ・ショーの登場により世界的ブームの復活
☆2003年からブエノスアイレス市長が始めたタンゴダンス世界選手権が大成功。もともとタンゴ好きの多かった日本、欧州のみならず北米、アジア各国まで(社交ダンスでない)本場のタンゴ・ダンスが世界的ブームに
☆世界各地でタンゴ・ダンスの場(ミロンガ)が大流行中!