卓話概要

2022年10月25日(第1800回)
社会保険労務士・NTT年金相談担当
三好茂男氏

知っておきたい年金の話

★老齢基礎年金
【受給資格】
①保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間≧10年※1
②年齢65歳以上(ただし、繰上げ受給・繰下げ受給あり※2)
※1 消費税引上げ分を見込み、H29.8.1より25年⇒10年となった
※2 繰上げ(1ヵ月ごと0.4%減額)、繰下げ(1ヵ月ごと0.7%増額)
【受給金額】
①満額(保険料納付済期間480月の場合)年額777,800円
②480月に達しない場合、納付期間により計算※1
③本人・扶養者の状況により、振替加算あり
※1 計算式 777,800円×保険料納付月数/480月数※2
※2 免除期間がある場合、免除割合に応じた給付割合で計算
【受給額例】
①条件:納付期間30年(360月)の場合
②受給額計算式:777,800円×360/480=583,350円

★老齢厚生年金
【受給資格】
①老齢基礎年金の受給資格(10年)を有し、厚生年金保険期間1年以上
②65歳前は特別支給の老齢厚生年金が支給
・男 S34.4.2生~S36.4.1生 64歳から受給
・女 S35.4.2生~S41.4.1生 62歳~64歳から受給
※加入期間44年以上で退職している場合、65歳前から老齢基礎年金に相当する定額部分の老齢厚生年金が支給される
③65歳以降は本来の老齢厚生年金が支給(繰上げ受給・繰下げ受給あり※)
※繰上げ(1ヵ月ごと0.4%減額)、繰下げ(1ヵ月ごと0.7%増額)
【受給金額】
①厚生年金加入期間、平均標準報酬額等に基づき計算(報酬比例)
②本人・被扶養者の状況(※)により、本人への加給年金、配偶者の老齢基礎年金への振替加算あり
※ ・本人の加入期間20年以上
・配偶者の加入期間、年齢、収入 等

★老齢厚生年金-年金額の計算
【計算式】
○平成15年3月以前の被保険者期間
平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者月数=金額A
〔平均標準報酬月額は報酬月額の月平均値・現在8.8万円~65万円〕
○平成15年4月以降の被保険者期間
平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者月数=金額B
〔平均標準報酬額は被保険者期間中の報酬月額に標準賞与額(1支給150万円上限)を加えたものの月平均値〕
年金額=A+B
【受給額例】
○条件
X氏について、23歳の大学卒業後会社員となり、63歳での退職までの40年間厚生年金保険に加入。この間の月間給与は、入社時10万円から退職時役員として100万円(標準報酬月額は65万円)で、平均標準報酬月額は50万円位。賞与は入社時からの年平均は150万円位の場合
○受給額計算式
(本来は、平成15年3月前後により別々の計算式によるべきであるが、全て平成15年3月以降として、その計算式により算定)
(50万円+13万円)×5.481/1000×480=166万円
【これに老齢基礎年金、加給年金を加えたものが老齢年金総受給額となる】

★遺族基礎年金
【受給金額】
①配偶者が受給権者/老齢基礎年金満額分(777,800円) +子の加算(第1子・第2子223,800円、第3子以降74,600円)
②子が受給権者/老齢基礎年金満額分(777,800円)+子の加算(第2子223,800円、第3子以降74,600円)

★遺族厚生年金
【受給金額】
①死亡者の老齢厚生年金額(厚生年金加入期間、平均標準報酬額等により算出)の3/4
②受給者の老齢厚生年金額の状況により、調整あり

★遺族厚生年金-年金額の計算
【計算式】
○死亡した配偶者の老齢厚生年金の3/4
〔Aの年金額〕 〔Bの年金額〕
金額=(H15.3 以前の厚生年金額+H15.4以降の厚生年金額)×3/4
Aの計算式:平均標準報酬月額×7.125/1000×被保険者期間の月数
Bの計算式:平均標準報酬額×5.481/1000×被保険者期間の月数
※被保険者が死亡した場合や、被保険者中に初診日がある退職者が死亡した場合で、被保険者期間300月(25年)未満の時 は、被保険者期間300月として計算