2025年1月~6月
2024年7月~12月
2024年1月~6月
2023年7月~12月
2023年1月~6月
2022年7月~12月
2022年1月~6月
2021年7月~12月
2021年1月~6月
2020年7月~12月
2020年1月~6月
★似顔絵は内面が出るように
基本的に似顔絵というのは、似ていればいいわけです。上手な絵を描くわけではないので、その人らしさが出れば、いちばんいいわけです。特に上手な絵でなくても、内面とか、性格とか、そういうのが絵から滲み出れば、それはいい似顔絵だと言えます。
いい例かどうか分かりませんが、犯罪捜査などでは、いまだに似顔絵を使っていると思います。今だとAIなどを使えば結構リアルなものができるはずなのですが、それでも似顔絵を使い続けているのは、やはり印象度の問題だと思うのです。絵だと人の印象に残るということだと思います。
皆さんは、シューベルトとかベートーベンとかバッハというと、すぐに顔を思い浮かべることができると思います。たぶんそれは、むかし音楽教室に肖像画が飾ってあったからだと思うのです。
文豪というと、夏目漱石の顔はすぐに出てくると思いますが、太宰治とか坪内逍遥とかになると、どんな顔をしているかよく分からないのではないかと思います。
写真だとなかなか覚えづらいものなのです。それが絵だと結構覚えてしまうというのが、やはり似顔絵の強いところだと思います。
ですから似顔絵は、描く人のことをどれだけよく知っているか、ということが重要だと私は思っています。
★ディテールを描くことが大事
これはお笑いコンビの「爆笑問題」ですが、ポイントは表情です。太田のほうはいつも小難しい顔をしていますが、田中はいつもニコニコしています。これはテレビのイメージですが、こうして表情を捉えるというのは、その人の内面を表現するときも重要なので、似顔絵では、そういうところを描くといいと思います。
これはいま「ぴあ」のアプリ版でやっている、大好きな映画「大脱走」の絵です。スティーブ・マックィーンをはじめ10人ぐらい描きました。彼らを描き分けられたのはよかったかなと思っています。よほどの映画ファンでないと一人ひとりの名前は出てこないと思いますが、1回でも見たことがある人だったら、どこに出ていたか分かると思います。
それはどうしてかというと、ディテールをちゃんと描いているからです。似てる似てないよりも、たぶん見る人は、ポーズとか格好とかで判断してくれると思うのです。似てる似てないも大切なのですが、そういうディテールを描くことで分かってもらうこともできます。
似顔絵だけでなく、ペーパークラフトもやっています。これは〈JAPAN MASTERY COLLECTION〉のものです。ツバキ、アヤメ、サクラ、ボタンです。いま羽田空港国際線の第3ターミナルで展示していますので、もし海外に行かれることがありましたら、ぜひ覗いてみてください。
★色鉛筆は同じ方向に
私の顔は、似顔絵にしやすい顔です。禿げ頭にメガネ、大きな鼻、それに最近髭も生やすようになったので、特徴だらけです。てるてる坊主にメガネをかければ、私になってしまいます。
色鉛筆を使うときは、同じ方向に塗るときれいに塗れます。クレヨンを使うと、ザラザラ感が面白い味になると思います。
最近はコンピュータで絵を描くことがあると思いますが、iPadで描いたりするとき、先に輪郭だけ色を付けて、その上から目鼻や口を入れる方法もあるので、そうやって描くと、線がないぶん、ちょっと面白い感じになると思います。
私は自転車が趣味なので、こんな格好をして都内を走り回っています。注目すべき点は、ボタンダウンシャツのボタンなど、細かいところを描くと、その人らしさが出ます。その人の持ち物とかを添えたりすると、愛情が伝わって、よりその人らしさが出ると思います。
★大人の顔と子供の顔
顔に十字の線を描いて、横の線より上に目があると大人の顔になり、下に目があると子供の顔になります。赤ちゃんはもっと下になって、おしゃぶりをくわえさせれば、すぐに赤ちゃんの顔になります。
大人の目は白目が多く、子供の目は黒目が大きいです。また子供の耳は、大人に比べると少し大きいです。
人の顔はだいたい、四角、円、三角の3つぐらいに分かれると思います。
髪の毛は、子供たちに描かせると1本ずつ描いてしまいますが、まとめて描くと感じをつかみやすくなります。
ほくろなどは、あまり誇張すると嫌がる人もいるので、ご愛敬程度に入れるといいかなと思います。
男性は、首を太めに、肩幅を広めにとって。お尻をちょっと小さめにして足を付けると、がっしりした形になります。
女性は、肩幅を少し狭く、お尻を大きめに、曲線で描くと、女性っぽくなります。
子供は、顔を大きめに、半ズボンにして、靴もよく見て描くと、今の子供らしくなります。