卓話概要

2022年10月04日(第1798回)
山の手東グループ ガバナー補佐
渡辺美智子氏

日本のロータリー100年、そして未来へ

★新たなビジョンと4つの優先事項
 ポール・ハリスは、1905年のロータリー設立から10年後、1915年の「ロータリー史」にこう述べています。
 「今から100年後のロータリーはどうなっているのでしょうか。生きている人には想像もつきません。現在のロータリアンにとって不可能はないのです。私はロータリーは生き続けると確信しています。生きるなら発展するでしょう」
 そして日本のロータリーが100年。まさしく今生きている私たちには、100年後は想像できませんが、ハリスの言うように、「不可能はない」のです。今を生きている私たちの着実な一歩があるから、100年後があると確信します。
 ロータリーは次なる100年を存続していくために、「新たなビジョン」を策定しました。長期展望に立った方向性を示す新たなビジョンです。
 「私たちは世界で、地域社会で、そして自分自身の中で、持続可能な良い変化を生むために、人びとが手を取り合って行動する世界を目指しています」
 またビジョンを達成するために、2019年から5年間の行動を方向づける「4つの戦略的優先事項」が示されました。
*より大きなインパクトをもたらす
*参加者の基盤を広げる
*参加者の積極的なかかわりを促す
*適応力を高める

★イマジン ロータリー
 本年度のRIのテーマ「イマジン ロータリー」について、ジェニファー・ジョーンズ会長は次のように語っています。
 「私たちには皆、夢があります。しかし、そのために行動するかどうか決めるのは私たちです。ロータリーのような団体がポリオの根絶や平和の実現といった大きな夢を抱くなら、それを実現させる責任は自分たちにあります。
 想像してください、私たちがベストを尽くせる世界を。私たちは毎朝目覚めるとき、その世界に変化をもたらせると知っています。昨日のことをイマジン(想像)する人はいません。それは未来を描くことです。
 ポリオのない世界を想像してください。
 みんなが安全な水を使える世界を想像してください。
 疾病のない世界、すべての子どもが読むことができる世界を想像してください。
 やさしさ、希望、愛、平和を想像してください。
 だからこそ、“IMAGINE ROTARY”がテーマとなります」
 11月17日(木)の山の手東グループ合同例会「ジェニファー・ジョーンズRI会長を迎えて」をどうぞよろしくお願いいたします。

★DEIタスクフォース
 2020年9月、ロータリーは「DEIタスクフォース」を設置しました。先ほどのビジョン声明の実現のためには、このDiversity(多様性)、Equity(公平さ)、Inclusion(インクルージョン)の原則が、ロータリーのあらゆる活動に根づくように期待されています。私たちが住む地域社会で、人との関わり合いの中でも大切な考え方だと思います。
 この考え方は新しい取り組みではありません。1933年、ボストンの第24回国際大会でポール・ハリスは次のように言っています。
 「ロータリーはあらゆる職業や地位、あらゆる国、あらゆる形式の宗教の代表者に開かれています。ロータリーの才知と栄光はまさにここにあるのです。ロータリアンは多くの点で異なる者同士ですがこの二点で完全に一致します」

★ロータリーを広げよう
 本年度、第2750地区のスローガンは「ロータリーを広げよう」です。富澤為一ガバナーは、次のように述べておられます。
 「クラブが5年後、10年後でも生き生きと元気で活力あるクラブを続けるには、新しい仲間を増やすことが不可欠です。それぞれのクラブが将来どんなクラブになりたいのか、そのためのクラブ戦略計画が必要です。そしてその戦略計画に基づいて、クラブ会員で実行することが大切です」
 3年間にわたるコロナの影響で、ロータリー活動は思うようにいきませんでした。しかしこれを停滞ではなく、ロータリーにとって新しい世界を切り開くチャンスとして位置づけようではありませんか。この逆境に怯むことなく、次の100年に向けて絶好の機会と考えたいと思います。
 ロータリークラブは、地域社会にとってかけがえのない大切な存在だと思います。そして私たち自身が輝くことが、クラブが、そしてロータリーが未来に向けて前進していくことではないかと思っています。
 最後に、1935年のポール・ハリスのこの言葉で締め括りたいと思います。
 「世界は絶えず変化しています。そして私たちは世界とともに変化する心構えがなければなりません。
 ロータリーの物語は何度も何度も書き換えられなければならないでしょう」