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★残土処分場計画をきっかけに山への関心が
2018年暮れ、残土処分場の計画が我が町、埼玉県小川町の山で行われようとしていました。その搬入量は、150万立方メートル。なんと大型ダンプ換算で、21万4,285台分です。我々住民の反対により、計画は北関東最大規模の太陽光発電の開発へとすり替えられ、森林の伐採規模は29.9ヘクタール、残土搬入量は、少なくなったものの約72万立方メートル。1日400台の大型ダンプが8.5か月間、休みなしに残土を運び込む計画となりました。
この開発の反対を機に、私は山に登り、山への関心が高まってきたのです。
★「切り捨て間伐」は最低の管理方法
町の面積の54%が山林であり、我が町は林業で盛んだった時代があったものの、50年以上手の入らない山が多く、遠くから見ればキレイな山ですが、中に入ると密植状態であり「真っ暗闇」。山肌に十分な水分が到達できず、水が吸収されにくい山がどんどん広がっています。
一方、管理はされているものの、その13%の山は、99.7%が「切り捨て間伐」が実施されているのです。
先代、祖先が、後の世のため、子や孫、その先の一族のために少しでも財産を残そう、役に立ちたいと、一本一本魂を込めて植林したものが、時代の要望がないまま成長し、誰も必要とされない状況の山で、人知れず良い木になった時期を迎えています。こんな状況下、国は間伐に助成金を準備してはいるものの、丸太を搬出するまでの十分な金額でないために、山中に切り捨てたまま、残置材として取り残され、捨てられている現実があるのです。これを「切り捨て間伐」といいます。
欧米では、「切り捨て間伐」を“Worst management practice”、つまり最低の管理方法だとしており、結果、下草などの下層植物の再生は阻害され、可燃物としての丸太の林内蓄積が山火事の危険を高めています。さらに、傾斜地に横たわる残置材が、激甚化する豪雨の影響で沢へと向かい、落下している丸太の光景をよく目にします。まさしく、土石流や土砂災害、山地災害の温床となる可能性も出てきているのです。
★自伐型林業と大規模林業
この状況をなんとかしたい、次の世代にバトンを渡すまでに対策を講じなければと、「山守学舎」は、壊れない小さな環境型の自伐型林業のために、幅2.5m以内、切高1.4m以下の作業道を高密度に通し、切り捨て間伐材、残置材を軽トラックで搬出しようと、全力で日々奮闘しているところです。
その作業道を利用し、木材運搬車や軽トラックを使って作業効率を上げ、残置材や間伐材を引き上げ、また環境に優しく災害に強い山づくりを、自伐型林業の方法で進めることができているのです。
では、自伐型林業とはなにか。それは、①皆伐施業はせず、②長伐期多間伐を実施し、③高密度路網の敷設を行うことです。
この自伐型林業の対局にあるのが、大規模林業の存在です。管理された山の木をすべて切り取り(皆伐)、大きな重機を使用するため、幅3.5m以上、切高3m以上の広い作業道を造ります。多くの人材を雇え、木材の現金化が短時間で実施できる反面、この施業に使用する重機に対し、億を超える巨額の資金が必要となります。
一方、自伐型林業では、初期費用が低く、土砂災害はじめ山地災害の抑制ができ、環境の保全ができる、また少人数での施業が可能です。
さらに、皆伐と自伐とを比較すると、自然災害、里地・里山、生物への悪影響、山地崩壊については、いずれも皆伐が圧倒的に自然界に悪影響で、結果、天然のダムとしての機能においても役割を果たしにくい状況となっています。
★「山守学舎」の活動にご支援・ご協力を
そこで我々「山守学舎」では、しっかりとこの活動を広めるために、これからの環境と向き合い、山を守る人材の育成を始めており、各地で美しい山への再生が始まろうとしています。
山に人が集い、山地災害を最小限度に抑え、地域を活性化させる山づくりと、子どもから大人までの幅広い山林教育を、もっと加速させていきます。
現在「山守学舎」では、6名のメンバーが自伐型林業の基本である作業道づくりをはじめ、必要な技術の自己研鑽を図るとともに、残置材の燃料化やチップ化はもちろんのこと、日本中の山を美しい山にしたい、人が集う山にしたいと、経済の循環と人材育成に励んでいます。
しかしながら、SDGsや脱炭素社会といわれながらも、山への関心はまだまだ低い状態です。私たちは関東の山守人材の育成拠点となるべく活動を進めていますが、自伐型林業の根本となる道づくりにおける、小型ユンボーや林内作業車などの重機の購入は、ハードルも高く、リースに頼らざるを得ません。
東京西南ロータリークラブの皆様の、そして企業様の、SDGsや脱炭素社会の役割の架け橋として、美しい山づくりへの社員教育、人材育成に、企業のイメージアップや地球への奉仕、未来の安心のために、ご協力・お手伝いができれば幸せです。
未来の子どもたちのため、日本のため、地球に奉仕するため、ぜひわれわれの活動にご支援・ご協力ください。