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★「日本駆け込み寺」で仕事
私は、大学1年生の春休みに自分の運転する自動車で交通事故を起こし、同乗していた高校時代の野球部の同級生が亡くなってしまいました。彼の親御さんと裁判になりましたが、野球部の仲間が私のために嘆願書を集めてくれて、それが裁判で使われたこともあり、執行猶予になって刑務所に行かなくて済みました。
とはいえ、友人を亡くしてしまった責任が私に重くのしかかって非常に苦しみました。そのとき野球部の仲間が全員私の家に来てくれて、「お前のやったことは許すことができない、だけど生きていてほしい」と言われたとき、非常に助けられた気持ちになりました。
では、自分にできることは何かと考え、法学部にいたこともあって司法試験の勉強を始めました。そのときに堀田さんと知り合いました。10年ぐらい頑張って勉強したのですが、結果的に合格できませんでした。
その間も自分が社会に何か貢献できないかとずっと考えていましたが、歌舞伎町にある「日本駆け込み寺」というところで仕事をすることになりました。この団体はいろんな困り事の相談を受けているところで、刑務所から出てきた方々の相談にも乗っていたので、私は自分の過去への思いもあって、その仕事に携わることにしました。
「日本駆け込み寺」では、刑務所から出てくる方のために、法務省から委託を受けて「自立準備ホーム」という寮のようなものを作ったのですが、さまざま理由で閉鎖することになりました。私としてはこうした支援を何とか続けたいと思い、7年前にいろいろな方のご協力を得て、自分で「生き直し」という団体を立ち上げ、自立準備ホームを開所しました。
★生き直しの支援について
【自立準備ホームへの入居】
「生き直し」の活動としては、まず「自立準備ホーム」に入居していただきます。出所者には帰る家がない方が多いのです。「自立準備ホーム」はそういう方が一時的に住む民間の施設です。ここで就労支援も行い、自立をサポートします。認可施設の「更生保護施設」と登録施設の「自立準備ホーム」の2種類があります。
「生き直し」へ紹介されるケースとしては、法務省にある保護観察所から依頼されるケースがほとんどです。他に受刑者向けの求人誌、刑務所、検察庁、社会復帰支援室、更生保護施設、弁護士、こういったところから問い合わせがあります。
施設には最長6か月間入ることができます。
「自立準備ホーム」で委託されていることは、「宿泊・食事の供与」「就労指導」「生活指導」「福祉・医療のあっせん」です。原則として、対象者と毎日接触し、その生活状況を確認するとともに、自立更生のために適切な支援等を行います。
【役所等の手続支援】
出所者の方が自分の住民票が必要になった場合、市役所に行っても身分確認できるものがなければ受け付けてもらえません。
そこで、私が「代理人」という形で、私の身分証で出所者の方の身分証明をしているのが実情です。
【携帯電話を借りる等の支援】
仕事をしたいとハローワークに行っても、電話がないと難しいです。料金の支払いが滞るとブラックリストに載って、携帯を持てなくなってしまいます。しばらくの間、私の携帯を貸して、それで仕事をしてもらうといった支援をしています。
【反社会勢力から抜けるための支援(離脱支
援)】
暴力団を辞めるには、警察に辞めたいと相談し、警察が警視庁(公安)と連携して「離脱届」を出せば、2週間以内に辞めることができます。
このように警察と連携しながら、雇用主から雇用証明書を提出すれば銀行口座も開設することができます。
【賃貸住宅を借りる支援】
出所者の方が住宅を借りようと不動産屋さんに行っても、保証人がいないと契約できないケースが多いです。行政による支援もありますが、手続きに時間がかかります。
そこで私が不動産屋さんから家を借り、それを転貸するという形でやっています。
【ハローワークとの連携】
出所者の方を雇うと報奨金が出る「協力雇用主」という制度がありますが、実際に雇用している雇用主数は、全体のわずか4%に過ぎません。ハローワークの担当の方もこの制度を知らないという現状があり、運用がうまくいっていないのではないかと思います。
【女性への支援について】
入所受刑者の女性比は年々増えており、その中でも覚せい剤、窃盗の犯罪が増えています。女性の場合、家がない、仕事がないと、手っ取り早く売春や男性の家に転がり込むことになり、それが覚せい剤に繋がることになります。
こうした女性には、女性用の「自立準備ホーム」を提供しています。
★私が大事にしていること
①対等な関係(信じること)
②全ての人は自分の先生
③人のために全力を尽くす(人の喜びが自分の喜びに)
④希望を持ち続ける(裏切られても)
⑤感謝する心
困難を抱えた人は、ずっと傷ついてきています。「どんな人でも生き直しはできる」と思って私はこの事業をしています。